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2010年05月29日

ワークライフバランスが会社を滅ぼす

「ワークライフバランス」とは一体何なんでしょうか?

その名の通り、
仕事とプライベートの時間配分のバランスが取れていればよいのか?

はたまた、
仕事をサボる(手を抜く)ための口実か?

「コンプライアンス」と同様に、
経営者サイドにとっても、従業員サイドにとっても、
何かと大義名分化しやすいキーワードです。

もちろん、女性の出産や育児をサポートするための施策の充実については、
論を待たずに大賛成です。


私がここで問題指摘したいのは、

大義名分化されたキーワードを解釈する側(その解釈の仕方)

についてです。


あるシステム開発会社の社長に、こんな話をききました。

「結婚したとたんに、以前よりも仕事に熱意が発揮されない社員(男性)が目に付く」と。

仕事に加えて、家庭も大切にするということはもちろん大切ですが、
「家庭を大切にしていれば仕事はそこそこで良い」というように捉えている人が、
私が関与する会社やビジネスマンの中にも多いと感じます。

ライフ(=家庭)というのは一側面でしかありませんが、
ここで勘違いしやすいのが、

「ライフを充実させるために、仕事に対して保守的になっても仕方が無い」

という発想です。

単に、もっと積極的に転職や起業しろ、と言っているのではなく、
ライフの充実に重きを置きすぎると、
「つるべ効果」のようなもので仕事の重みが減り、
仕事で革新的、冒険的、野心的な動きをとりずらくなる、
というのが、多くの人に見られる現象です。

(それは、その人個人が悪いというものではなく、普通の人間とはそういうものだということに過ぎません)

この経済環境の中、保守的な発想で仕事を廻し続けることは極めて困難です。
ましてや、これから組織内でも社会的にもリーダーシップを発揮すべき30代のビジネスマンには、
保守的な姿勢自体が許されません。


本来は、「ワーク」と「ライフ」という両者はバランスをとるようなものではなく、
本人を軸として両方がつながっているもの、
本人が成熟することで、当然のように両立させるべきものなのです。

この点は、論語の
「修身斉家治国平天下」
という言葉に、

「家を治めることができなければ、そもそも外での仕事も本質的にはできていない」

と表現されています。

関連記事
儒教が説く「修身斉家治国平天下」

(ちなみに私も家庭を持っていますので、その難しさはもちろん実感しています)


以上、お分かりの通り、
ワークライフバランスの施策自体を批判しているわけではありません。

企業や仕事の革新が無いままに、「ワークライフバランス」という言葉を心地よく流通させることは、

会社にとっても、ビジネスマン自身にとっても、いずれそのしっぺ返しを喰らう

ということを警告しているのです。

どうぞ誤解なきよう。




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