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2010年04月30日

組織の弊害② 社会的手抜き現象

1+1<2 となってしまう代表的な現象が、

『社会的手抜き』

である。

ネーミングから何となくイメージは出来ると思うが、

「人は集団でワークすると、単独でワークする時よりも努力をしなくなる(パフォーマンスが下がる)」

という法則である。


かつて、ドイツのリンゲルマンという心理学者が、
綱引きを題材に実験を行った。

1人で綱を引く時の力を1とすると、
3人で引いたとき、8人で引いた時にどの位の力が発揮されるか?

結果は・・・、



3人のときは、2.5人分

8人のときは、約4人分



つまりここから、

集団の規模(人数)と、その中の構成員個人の業績とは反比例する

といえる。


原因はいくつか考えられるだろう。

・「集団の中なら、自分1人くらい手を抜いても、そんなに目立たないだろう」という思い

・他の1人が手を抜いているように見受けられた場合、自分も無意識に手を抜くことでバランスを取ろうとする

・結果が「組織全体」で評価されるので、個人は組織の努力に「ただ乗り」しようとしてしまう


等々。


これらは、どんな人にでも起こりうる心理であり、

やはり個人を責めるよりは、「組織(集団)という特性がもたらすもの」といえる。


ただし、これは「綱引き」のような、同一のワークを同一の土俵で行う実験であり、

実際の組織においては、個々の役割分担が違ったり、
分業による連携が図られる仕組みが取り入れられている。

つまり、社会的手抜きを防ぐためには、

組織内での個々の役割を明確することで、

「この人(パート)が頑張らないと、次に進まない」

「この人の役割を組織内で相互チェックする仕組みを作る」

などの工夫が望まれる。


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