誉めることの功罪②
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誉めることの功罪
以前から漠然と感じていたことが明確に本に書かれていました。
「その科学が成功を決める」
《実験》
3グループの子供たちに、テストの結果を伝える
(実際の点数は伏せ、全員80点という優秀な結果だったと伝達)
加えて、第1グループには、
「これは君が頭がいいからだ!」
と褒め称える。
第2グループには、何も言わない。
第3グループには、
「これは君が努力したからだ」
と伝える。
その後、さらに2つの実験を続ける。
①2つの課題(難しいもの/簡単なもの)を見せ、どちらに取り組むか選ばせる
(結果)
1グループ 多くが簡単な方を選んだ
2グループ ほぼ半々
3グループ 多くが難しい方を選んだ
②最初のテストより簡単なテストを、全グループに受けさせる
(結果)
1グループ 点数が下がった
2グループ 変化なし(?)
3グループ 点数が上がった
この実験結果より、
「頭がいい」と誉められたグループのパフォーマンスが下がったのは、
・自分は頑張らなくてもできると思い、努力しなくなる
・成功しなかったら格好悪いと思い、失敗を恐れ挑戦を避けるようになる
・また、もしも実際に悪い成績を取ると、自分には能力が無いと思い無力感にさいなまれる
ということだ。
《結論》
誉めることは大事だが、その誉める対象が重要である。
「能力」に対する誉め言葉は、このように悪影響を与える。
対して、努力などの「行動プロセス」を誉めることで、またさらなる努力を引き出すことが出来る。
結果、その努力が実を結び、成功する確率も高くなる。
関連して思うのは、
「結果」についても誉めることにも、弊害があるのではないか?
結果が誉められることで、「また次も結果を出さなければ」という強迫観念が芽生えることは実際にある。
人材育成にあたる人にとって、
「行動プロセス」や「成果でなく内なる成長」
をしっかりと見てあげることが重要だと思う。
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