いろんな仕事を経験し、「自分にとってこれが天職だ!」と思える仕事を見つけた、
という人に稀に出会うが、大部分の人はそこまで自分の仕事にしっくりきているわけでもない。
そうなると、「自分にとって天職って何なんだろう?」と、思い悩んでしまう。
これを「青い鳥症候群」と呼んだりする。
ある経営者が、
「自分の仕事を天職だと思った時点でそれが天職」
とおっしゃるのを聞いたことがある。
まさにその通りだと思う。
傍目から見て成功していると思える創業者の話を聞くと、
案外その事業を始めたきっかけは、些細なことや、たまたまの巡り会わせでしかなく、
「最初からこれが天職」と思って始めた人は案外少ない。
何らかの縁やチャンスがあって始めた仕事に真剣に取り組むことで、お客様や信用が身につき、
それによって益々その仕事に自信や愛着が生まれてくる、というパターンが多い。
今は就職活動の真っ最中で、会社や仕事選びに真剣に取り組んでいる学生が多い。
水を差すような言い方になるかもしれないが、ある意味選択する職業は何でも良くて、
大事なのは、一度決めた仕事をとことんやりぬく強い意思を持てるかどうか、だと思う。
私も、かつて就活をしてた頃は自分なりの志望動機を持っており、それなりに筋は通っていたが、
それにしたって、所詮は世間を知らない学生が狭く偏った視野の中で思い込んでいるだけの話であって、
客観的に見ればそれが正解だと言えるものでは決して無い。
ただ一ついえるのは、自分なりに「俺はこれをやりたいんだ」と強く思い込めれば、
それがその人の武器・成長エンジンになる。
たまたま、好きな人が「かっこいい」と言ってた仕事でもいいし、親がやっていて何となく興味がある、とか、そんなレベルで全く構わないと思う。
ヤマト運輸の故・小倉昌男氏は、
「天職とは、目の前の仕事に惚れること」
と言っている。
とにかく、目の前の仕事に一生懸命になれる人は、何をやっても成功するし、
そうでない人は、何をやっても「天職」を得られることは無い。