組織の重さと組織構造②

とん

2008年05月24日 00:00

一昨日の続きです。


3.組織内の上下間コミュニケーションにおいて、「軽い組織」では公式的な経路が使われ、「重い組織」では非公式な経路が使われる

これも一般的なイメージとは異なります。

非公式なコミュニケーションが多いということは、自由闊達に日々コミュニケーションしている印象も受けますが、

むしろ「密室政治」的な面が重視され、公式な会議等のルートが実質的に機能しておらず、一種の混乱が生じているという見方ができます。


4.部門内の水平的なネットワークの充実は、阻害要因になる

これも一般的なイメージとは異なります。

部門内で同列のメンバーが多いことで、調整することの手間が増えてしまうということです。

部門内で単にフラットな組織であれば良い、ということではなさそうです。



以上より、日本企業に見られる組織構造上の問題点とその解決策をまとめると、以下のような感じでしょうか。

問題点]
組織規模が大きくなっても、対面のコミュニケーションや複雑な組織風土の意義を重視するあまり、コミュニケーションルートが複雑化し、混乱とストレスに拍車をかける

[解決策]
ビジネスユニットを適切な規模に抑え、戦略計画を公式ルートで共有することが必要


この考察にのっとると、
今まで多くの会社で取り組んできた公式ルートを使った「中期経営計画の策定・共有」のプロセスにはおおいに意味があり、
一方で「オフサイトミーティング」に代表されるような複雑なネットワーク化は、根源的には組織の重さを助長することがある

ということです。

言うならば、日本企業には「機械的側面」を嫌う一方、有機的側面でコミュニケーションや重い組織風土を重視しすぎることでバランスを崩しがちます。


個人的には結構思い当たる節もあり、
説得力を持って聞かせていただきましたが、
皆さんどんなご感想でしょうか。

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