組織の弊害③ グループシンク(集団浅慮)
「三人寄れば文殊の知恵」
というように、複数の人が集まって議論することの有用さは一般的に言われているが、
果たしてそうだろうか?
それに疑問を投げかけるのが、
「グループシンク」
という現象である。
誰しも、会議などの中で
「意見を述べたいと思いながら、思いとどまってしまった」
という経験があるのではないか?
会議などでは、最終的に
「コンセンサスを得なければならない」という大きな圧力が発生する。
その中で、少数意見や突飛な意見は、
ますます発表しずらくなり、
意思決定において、組織内で「定説」とされる意見や有力者の意見に、
深い検討もなしに流れていってしまう。
普段は組織のメリットと称される
「一体感の強い組織」
ほど、その危険性が高い。
過去の歴史上の実例としては、
・スペースシャトル チャレンジャーの爆発事故
・ベトナム戦争の泥沼化
・エンロン事件~アーサーアンダーセンの崩壊
など、枚挙に暇が無い。
「グループシンク」が発生してしまうと、
・情報収集の不足
・問題の見極めが不完全
・選択肢が不足
・意思決定におけるバイアス
などの弊害が生ずる。
これらの現象を食い止めるためには、
・リーダー自身がオープンな姿勢を保ち、広く意見を募ること
・組織外部との接点を保ち、客観的な意見も取り入れる環境を作ること
が大切である。
そして何よりも、
「誰が正しいかではなく、何が正しいか?」
というスタンスを忘れないことが大切である。
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