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2008年11月10日

心情倫理と責任倫理

2ヶ月ほど前の日経夕刊のコラムに、

マックス・ウェーバー(ドイツの政治学者)の

「職業としての政治」

からの引用があった。




タイトルの「心情倫理」とは、

自分の純粋な心情から発した行動の結果が悪くても、
その責任は自分にあるのではなく、他人や世間にある と考えること。


最近の例として、

①福田前総理「私とあなたたちとは違う」・・・独善性を表現した

②星野監督 「我々は一生懸命にやった。あとは国際ルールが、審判が・・・」



一方の「責任倫理」とは、

自分がどのような心情で行動をとったかではなく、
それによって生じた結果の責任を受け止め、他人に責任転嫁しない人


マックス・ウェーバーは、著書の中で、

心情倫理の持ち主は政治家とは認めず、
責任倫理によって行動できる人だけが、政治を天職にできる

と言っている。


立場によるが、政治家でなくても「指導者」といわれる人は、
総じて責任倫理の立場に立つべきではないか。



ある会社の会議で、
自分は一生懸命やっているが、
「外部環境」と「動かない部下」を業績悪化の原因
と論じている営業部長がいたが、
それは典型的な「心情倫理」のスタンスでしょう。



これだけ景気が悪くなってくると、
「一生懸命やってるんですが・・・」
というのが枕詞みたいな会話が増えてくると思うのですが、
その「心情」に流されると、本質が見えにくくなる。

結果が出ないときは、どうしても自分以外のせいにしたくなるものだが、
将来に対して責任をとるというスタンスを貫くことが、
指導者としてリーダーシップを発揮できる人かどうかの
ひとつの試金石かもしれません。



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この記事へのコメント
こんにちは、一美といいます。
京都に5月に引越してきて、生き方や教育のセミナーとセッションをやっています。
京都の街頭に出て「聞く屋」という活動もしています。
見かけたら声を掛けてくださいね。
Posted by てんごはばかりさん at 2008年11月10日 21:44
こんにちわ。
「聞く屋」(?)ですか~。
どこでどんなことされてるんでしょう?
また機会あればお教え下さい。
Posted by とん at 2008年11月11日 08:59
はじめまして。
来月の社内会議でこのテーマを話そう…と思案しググッたところ、この記事を拝読することが出来ました。
まさに『我が意を得たり』という感じです(笑)
コンパクトでありながら本質を突かれているし、比喩の用い方も上手いなぁ…と感心した次第です。

特に
>将来に対して責任をとるというスタンスを貫くことが
が肝心ですよね!(自分自身にも耳の痛い話ですけど)
これを構築される為に必要不可欠なのが、取組もうとされている『武士道』であり『クレドの精神』だと思います。
そして、それを遮るが如く邪魔をする日本独特の『世の中やお上に悪いからだ症候群(主にマスコミの報道姿勢が原因だと思いますが)』を打破するには、ひとりでも多くの『強い個』の創造しかない…との思いを更に強く持ちました。自分の持論なだけですが(笑)

長文、申し訳ありません。大変参考となりました。ありがとうございました・
Posted by だちゃま at 2008年11月30日 11:46
>だちゃま様

コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、
「ひとりでも多くの『強い個』の創造」
がカギであり、
私自身、単なる「他者批判」とならないよう、
まずは自分を律するところからかな、と思っています。
ともに頑張りましょう!
Posted by とん at 2008年12月01日 07:29
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