京つう

ビジネス/起業  |大阪府

新規登録ログインヘルプ


2006年10月11日

なぜあの会社は儲かるのか?

「なぜあの会社は儲かるのか?」

というタイトルの本を読んでいます。




会計学をベースに、いろんな角度から儲かっている会社のからくりを検証しよう

という本ですが、なかなか読みやすくて面白いです。


例えば、

キャノン

を例に挙げてみると、一体何で儲けているのか?

イメージでは、

「デジカメ」

辺りが思い浮かびますが、

価格競争の厳しいジャンルですし、

それは全体利益の2割程度を稼いでいるに過ぎません。


正解は、

プリンターのトナーやインクなどの消耗品です。

これでおそらく、全体の利益の6割程度を稼いでいると見られています。


プリンターも自社ブランドですが、

こういったハードは安めに顧客に提供し、

その後安定的・長期的に消費される消耗品で儲けるとは、

何とも賢いというかうまいというか・・・。


いずれにせよ、

一営業部門だけで事業を完結するのではなく、

複数の部門が連携して、会社全体としてどこで損してどこで儲けるのか、

という意思を統一し、実行すること。


言うは安しですが、

これが出来ない会社がいかに多いことか・・・。


事業部制や、部門別採算システムなど、

会社の中での収益性を評価する動きがこの10年くらいのトレンドでもあり、

全体最適ならぬ「部分最適」

に、役員以下社員が目を奪われるケースが多かったのではないでしょうか?


私のクライアントでも、

部門別採算システムを導入されるところがありますが、

社長の意向もあり、社員の処遇面においては、

部門別業績を反映させない仕組みをとっています。


成果主義で勝ち組、負け組を作り出すことの是非が問われていますが、

それが可能なのは、各者・各部門の競争条件が同じ場合のみ。

異なる商品を異なる種類の顧客に販売する場合などは、

やはり単純な業績比較で評価はできないでしょう。

いかに、全体としての事業モデル、相乗効果

を基準とした評価ができるか?

経営としては、単純に数値評価できないだけに、

その手腕がより問われることになります。


アメリカの学者の中には、

こういった日本的な経営スタイルを非効率だという人もいますが、

より長期的な視点に立てば、

今のムダを将来の収益に結びつけることも必要ですし、

「資本効率」だけで是非を論じる気にはなれません。


こういう「ガチガチの」事業部制ではない経営スタイルの良さは、

もっといろんな角度から語れると思います。



同じカテゴリー(組織戦略・人事制度)の記事
 ガラス張りの人事制度の弊害 (2010-06-16 10:14)
 コンプライアンスが会社を滅ぼす (2010-05-26 20:08)
 組織の弊害④ 学習性無力感 (2010-05-07 14:30)
 組織の弊害③ グループシンク(集団浅慮) (2010-05-01 07:06)
 組織の弊害② 社会的手抜き現象 (2010-04-30 23:58)
 組織の弊害① (2010-04-28 23:20)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。