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2010年06月16日

ガラス張りの人事制度の弊害

先日、とある大手食品メーカーの人事担当の方と話していて、

こんな話が出てきました。


「ウチは人事制度をガラス張りにしているので、

慣れた社員は処遇(昇給・賞与)ランクから逆算して自己評価をつけてくる」



しかも、

厳格に評価すべき上司がその自己評価に引きずられてしまっている、とのこと。




一頃、

制度のブラックボックス化を批判し、ガラス張りの人事制度こそが是である

という論調がありましたが、

この話では、むしろその弊害が現れています。



結局、ガラス張りの人事制度とは良いのか?悪いのか?


ここで押さえておくべきは、

ガラス張りにする対象部分です。

ひとつは、

①評価から処遇の決定に至るまでの全過程

そして、

②自分自身への評価・処遇結果

の2つに分けて考えてみます。



②自分自身への評価・処遇結果

に関しては、以前当社で実施したモチベーションに関する統計調査でも、

モチベーションを上げるために不可欠な要素としてピックアップされました。

つまり、

「自分自身がどのように評価されていて、これから何をすべきなのか?」

について、きちんとフィードバックを行うことで、モチベートが図れるということです。



一方、①評価から処遇の決定に至るまでの全過程

については、ここをガラス張りにするのは問題があります。


ひとつは、

全ての手続きをオープンにすることにより、

その手続きに臨む社員・上司の双方に恣意性が働いてしまうことです。

人事制度は理解されるに越したことはありませんが、

知りすぎることによって「自己保身」や「我田引水」に使われてしまうリスクは否めません。

制度を知ることで、結局それに振り回される(人事制度の奴隷になってしまう)

という人間の弱
も、理解しておくべきでしょう。




もう一つは、「処遇ランクをオープンにする」ことの問題です。

処遇の決定というのは、結局は

社員間の「相対評価」で序列付けをし、原資を配分する

というのが本質です。


その際、その相対評価(評価ランクの配分)の比率までオープンにしてしまうと、

社員には、「平均よりも上に位置したい」という心理が働くため、

評価のインフレが起こり、


冒頭の事例のような現象を生み出します。




「ガラス張りにしたから、ウチの制度は進んでいる」

「ガラス張りにしたから、経営者としての責任をしっかり果たしている」

としてしまうのは間違いであり、

そうすることによる心理面での影響を踏まえたうえで、

人事制度の運用に臨む必要があるのです。




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